HHKBとは?なぜ、エンジニアはHHKBを愛用するのか
こんにちは、DUです。
本記事は、おそらくキーボード界においてトップクラスに高級なHappy Hacking Keyboard(通称:HHKB)が、なぜエンジニアに愛用されているのか考えていこうと思います。
巷ではHHKBに対して良い評価が大半ではある気はしますが、少なからず否定的な評価もあるようです。「HHKB 良さ」で検索してみたところ、上から半々の割合で肯定的な意見と否定的な意見が別れました。
今回は購入を迷っているエンジニアの決断を少しでも後押しできるような意見をを示していきたいと思います。
まずHHKBを知らないという方は、こちらHHKBの公式プロモーションをご覧ください。
正直言ってしまうと、大半がこの動画の中で挙げられていますが、個人的な意見も交えて以下続けていきます。
3つの要因
「なぜ、エンジニアはHHKBを愛用するのか」この要因は主に以下の3つではないでしょうか。
2. キーボードとしての価値
3. 必要十分なミニマル設計
それでは、詳細について見ていきましょう。
1. 使い心地の良さ
気をつけて頂きたいのは、「使い勝手の良さ」ではない点です。
否定的な意見でよく見られるのが、「使いこなせない」「使いにくい」という内容ですが、使い心地そのものに関して、ほとんど否定的な意見は見られないと思います。
キーボードとしての使い心地「気持ち良いか・悪いか」はタイピングしていて気持ち良いかどうかだと思いますが、その点に関して、おそらくHHKBで採用されている静電容量無接点方式を上回るものは現時点で存在しないでしょう。
タイピング音に関しても、一世代前のHHKBは「カチャカチャ」した音が気になることもありましたが、新世代の「HHKB Professional HYBRID Type-S」では静音対策が完璧です。
※一世代前との比較はこちらの記事を参照してください。
「使用時の気持ち良さ」に関して、HHKBを上回るキーボードが存在しないため、一度使ってしまうと手放せなくなってしまうのです。
2. キーボードとしての価値
次のポイントは、キーボードとしての価値が大きいからです。
その価値は、以下の3つの観点からの評価です。
2. 互換性
3. ブランド
耐久性
まず耐久性についてですが、PCのキーボードを使い続けたことのある方なら一度や二度は経験したことがあると思いますが、3、4年使っていると必ずどこかしらキーボードに不具合が生じます。
キートップが外れてしまったり、「Ctrl」や「Command」といったよく使うキーだけ故障してしまったりなどです。
その点、HHKBは数千万回の入力耐久試験をクリアしており、故障の確率はかなり低いと言えます。特に「静電容量無接点方式」というキー入力の仕組みが、メカニカル方式・メンプレン方式といったHHKBよりも安価なキーボードに用いられる方式よりも圧倒的に故障しにくいそうです。
もし仮に故障があった場合でも、付属のキーボードではないのでPCごと修理に出す必要はなく、最悪の場合でも大きな問題はありません。
互換性
次に互換性についてです。
どのOS・デバイスであっても同じようにキー入力が可能であるという点も1つの互換性の高さを象徴していますが、もっと本質的にPCから独立したキーボードはどれだけPCが変わったとしても、変更されることのないインターフェースという意味での互換性の高さです。
公式サイト・プロポーションではカウボーイの馬鞍の例えが用いられています。
アメリカ西部のカウボーイたちは、馬が死ぬと馬はそこに残していくが、どんなに砂漠を歩こうとも、鞍は自分で担いで往く。
https://happyhackingkb.com/jp/
馬は消耗品であり、鞍は自分の体に馴染んだインタフェースだからだ。
いまやパソコンは消耗品であり、キーボードは大切な、生涯使えるインタフェースであることを忘れてはいけない。
東京大学 名誉教授 和田英一
少し、過激な表現ですが本質的な意味は通っていますね。
確かに、今からおよそ20年前、私が小学生の頃、学校に置かれていたキーボードと現代のキーボードにほとんど違いはありません。タイプライターの時代から何も変化しておらず、よほどの革命が起こらない限り今後もこの形状を保っているでしょう。
そう考えると、3万5千円は高くありません。
例えばMacを使っていた場合、搭載のキーボードを使い倒して、何かしらの不具合を抱えていたとしましょう。5年後メルカリで売ろうと考えた時、その状態であれば少なくとも2〜3万円は差し引いた額でしか売れないでしょう。
それであれば、その間ずっと良いキーボードで気持ちよくタイピングしていた方がいいですよね?
ブランド
これは、エンジニアだけが感じることかもしれません。
HHKBを使っている人のあのギーク感。それだけで、かなりできるエンジニアに見えませんか?実際のところ私の経験上、HHKBを使っている人が優秀であることが多いです。
もちろん、見た目やバイアスで人を判断すべきでないという観点からは正しくない判断かもしれません。
しかし、「仕事道具に投資」するという姿勢、「HHKBのミニマルさに対応」できる効率の良さという点から、あながち間違ってはいないかなというのが経験則からくる判断です。
また、HHKBにはさまざまなラインナップが存在し、「無刻印」という文字が全くプリントされていないキーボードというかなりプロフェッショナル向けの商品もリリースされています。
それを使いこなせているだけで、「この人ヤバそう。。」と感じるのは私だけではないと思います。(※必ずしも技術力が高いとは限りません。)
さらにエンジニアに限らず幅広く人気ということもあり、中古市場の値段も大きく値崩れしていません。
私は一世代前の「HHKB Professional BT」を楽天のスーパーセールで2万6千円で購入し、1年半使用した後、2万円ほどで売却しました。
この経験からも、もし仮に自分が「無刻印」を使用できるレベルに到達したとしても、リセールバリューを考えるとそこまでアップグレードすることに不安はありません。むしろ安い中途半端なキーボードを買って売れないよりも、コスパが良いと言えるでしょう。
3. 必要十分なミニマル設計
最後の要因は、必要十分なミニマル設計です。
大げさに聞こえるかもしれませんが、エンジニアにとってのHHKBの魅力は、全てここに集約されていると言っても過言ではありません。
よく否定的な意見で「使いにくい」「使いこなせなかった」という声が聞こえますが、エンジニアに限っていうと「使いこなせないのは操作に無駄があるから」だという見方もできると思います。
「ミニマル」であることはそれだけで操作に事足りるから
ということなのです。
HHKBはエンジニアに最適化されたキー配列を前提に作られています。
「Control」キーを左の小指、「fn」キーを右の小指で届く位置に配置されていることが、まず他のキーボードと異なります。
「Control」はターミナル操作において最もよく使うキーの1つです。そのため、US配列のキーボードでは「Caps Lock」を「Control」へ割り当てるエンジニアも多いほどです。
「fn」キーもコーディングや開発において様々なショートカットが割り当てられています。US配列のHHKBでは「矢印」操作の際にこの「fn」を使う(日本語配列のHHKBは矢印キー搭載のため不要)ため、その点がネックとなって購入を諦める方もいますが、私も同じ様に迷っていたため声を大にして言いたいです。
「すぐに慣れます」
そして、さらにいうとその不便さを取り除くよりも、このミニマルな制限の中で習得する様々なショートカットから受ける恩恵の方がはるかにメリットが大きいです。
※コーディングに関していうとVimやemacsといったキーバインドを習得していれば矢印にこだわらなくても問題はないのです。
私はHHKBを通してより効率化を追求する様になり、以下の様な効率化にたどり着きました。
オススメの記事
おそらく、他のHHKBユーザーの方もこの点は同意していただけるのではないでしょうか。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
これらの点がエンジニアにHHKBが愛される理由です。
もちろんHHKBが合わなかったからといって、そのスキルに問題があるわけではありませんし、逆も然り、HHKBを使いこなせていても私の様に大したことないエンジニアもいます。
ただ、HHKBにハマる人が追求しているポイントを少しでも理解していただけたら嬉しく思います。