海外送金の鉄板・TransferWiseから複数通貨対応デビットカードがついに日本対応!

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海外移住を決断し、いざ実行しようとすると様々な事務的な手続きが発生します。

その中でも最も煩雑で面倒な部類に入るのが、お金周りの手続きではないでしょうか。

面倒なお金周りの話ですが、海外移住をする方であれば必ず1度は直面するであろう問題が「海外送金」です。

現地でまとまったお金が必要になった際、日本の銀行口座からお金を移す必要があるでしょう。

「海外送金」のサービス自体は国内どの銀行も大体は対応していますが、なんといっても手数料がバカ高いです。

そこで、海外送金を最安値で実行したい場合にオススメなのがTransferWiseという国際送金サービスです。

1. 海外送金の手数料

銀行によっては「業界最安値の手数料」などの謳い文句で宣伝をしていることもありますが、はっきり言ってどれもTransferWiseと比べると圧倒的に高いです。

またTransferWiseでは明確に「手数料」の内訳が示されているのに対し、国内の各銀行の手数料内訳はかなり誤解を生みやすい表記になっています。

言い方は悪いですが、いかに消費者からお金を搾取しようか、うまく考えられた表記になっています。

通常の海外送金サービスのコストには大きく二つの料金が存在します。

  • 銀行の事務手数料(+中継先の銀行事務手数料)
  • 独自の為替レート

一つ目の手数料は実際に銀行がお金を送金するので、そのための事務手数料です。

例えば「日本のA銀行からドイツのB銀行に送金」する場合

ドイツに支店のない日本のA銀行は中継先として香港のC銀行に一旦お金を送り、C銀行がドイツのB銀行に送金します。するとA銀行とC銀行へ事務手数料が発生します。

場所によっては複数回中継を挟むことで手数料がかさんできます。これは実際に人の手を動かしてお金を移動させているので仕組上避けられないコストですね。

問題は二つ目の為替レートです。為替手数料とも呼ばれます。

現在ではgoogleで日本円とユーロのレートなどリアルタイムで確認できるので、銀行独自のレートといかにギャップがあるかわかりやすいと思います。

2021年1月29日 6:30AMでは「1ユーロ=126.37円」ですが、楽天銀行で3000ユーロをドイツへ送金しようとすると「1ユーロ=127.49円」で為替計算されます。

つまり「(127.49ー126.37) × 3000」で日本円からユーロへ両替するだけで3360円のコストが上乗せされているのです。

銀行もリアルタイムで両替できるわけではないので、その点のリスクを含めたレートになってしまうのは仕方のないことですが、消費者目線で考えるといまいち納得できない課金方法ですよね。

2. TransferWiseの画期的な仕組み

上述の「為替コスト」をTransferWiseでは「隠れコスト」と呼んでいます。

引用)TransferWiseブログより

TransferWiseでは画期的な仕組みでこの為替コストをゼロにすることで、国際送金のコストを劇的に抑えることに成功しました。

仕組みとしては非常にシンプルでTransferWiseが各国に持つ銀行口座経由でユーザーへお金を届けているのです。

日本とドイツでの送金を考えてみましょう。Aさんは日本からドイツへ300,000円送金したいとします。

AさんはTransferWiseの日本の口座へ300,000円振り込みます。そしてTransferWiseはドイツのTransferWiseの持つ口座からAさんのドイツ現地口座へ約2,400ユーロ(300,000円分)振り込みます。

Transferwiseのドイツ口座へはドイツから別の国へ送金したい人がお金を振り込んでいるので、Aさんの送金に十分な金額がプールされており実際にお金を移さなくても良いのです。

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| Japan                       |                        | Germany                     |
|                             |                        |                             |
|                             |                        |                             |
|     +------------------+    |                        |     +------------------+    |
|     |       UserA      |    |                        |     |       UserA      |    |
|     +--------+---------+    |                        |     +--------^---------+    |
|              |              |                        |              |              |
|              |300,000JPY    |                        |              |2,400EURO     |
|              |              |                        |              |              |
|     +--------v---------+   Only Data (No cash transfer)    +--------+---------+    |
|     |   TransferWise   +----+------------------------+----->   TransferWise   |    |
|     +------------------+    |                        |     +------------------+    |
|                             |                        |                             |
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またコストが抑えられているだけでなく、その送金スピードも目を見張るものがあります。通常の銀行の場合、平気で数営業日かかってしまうところ、TransferWiseでは翌日、最速で数時間後には現地の口座へ振り込みが完了しています。一度このスピード感に慣れてしまうと、他のサービスを使う気になれません。

TransferWiseはいわゆるFinTechという部類のサービスになるのですが、金融系ITサービスの難しい点は複雑になりがちな各国の法律に遵守することです。しかし、TransferWiseはこの点もしっかりとクリアした上でサービス展開を世界に広げています。素晴らしい。

3. 送金サービスを発展させた複数通貨対応口座

上述の通り、TransferWiseは国際送金サービスで成長してきた企業です。

そして国際送金に加え新たに展開してきたサービスが複数通貨へ対応したTransferWiseのオリジナル口座です。

日本以外では既にサービス展開されていましたが、つい先日日本でも対応したとの通知が届きました。

複数通貨へ対応した口座とはどういうことか。

大きく分けると「受け取り」と「保有」、「支払い」の3種類のアクションが可能です。

全8ヵ国の現地口座が同時開設。現地通貨の受け取りが可能に

これまで海外の銀行口座を開くことはかなり敷居の高い手続きでした。

日本にいながら現地口座を開設できるのはほとんど稀です。そのため、移住するにあたって現地到着後真っ先に取り組むのが様々な行政上の手続きと銀行口座開設です。

現地に滞在していないと難しかったはずの銀行口座開設が日本にいながら、しかも主要通貨のほとんどをカバーした複数の口座を同時に開設できるのは今までにない画期的な仕組みです。

日本で事前にこれらの手続きを済ませておけば、現地で働く場合や日本から送金する場合であっても受け取り口座開設が必要ありません。

55種類もの通貨を保有・決済可能

受け取り通貨は未だ8ヵ国に留まっていますが、口座内で保有可能な通貨はすでに55種類にものぼります。

後述するデビットカードではこれらの通貨で決済が可能ですので、ほとんど世界中の現地通貨で支払いすることができるのです。

今まで、海外での決済は日本で発行されたクレジットカードでカード会社の為替レートに従って決済していたり、現地通貨へ両替して現金払いなど様々な手段がありました。しかし、どれも為替レートに手数料が上乗せされてしまいコストパフォーマンスは悪いものばかりでした。

しかしTransferWiseであれば上述の通り、少額の手数料のみでリアルタイムの為替レートで両替することができ、ほとんど余分なコストなしで海外でお金を使うことができるのです。

4. 超優秀なデビットカード

複数通貨対応口座開設と同時に、1200円(2021年1月27日現在)で発行できるデビットカードが超優秀です。

大前提として、海外で支払いを行う際は「現地の通貨で支払い」することが鉄則です。

理由はお店によって為替レートが異なり、大抵の場合かなり悪いレートでの支払いになるためです。たまに海外で「日本円で払う?」と聞かれることがあると思いますが、それは親切心からではなく彼らが儲かるから聞いているだけです。

しかし、いくら使うのかも正確に見積もれないので事前に外貨対応口座で現地通貨に両替することも非効率です。多く見積もってしまえば、旅行後は塩漬けのお金になってしまいますし、少なければ再度手数料を支払って現地通貨へ両替しないといけません。

そこで便利なのが、必要な分だけ都度両替できる機能です。十分な日本円が口座にあれば、現地で支払いを行った際に現地通貨へ両替して支払ってくれるものです。

Transferwiseがデビットカードのサービスを始めるまでは、似たようなサービスを提供しているソニー銀行のデビットカードを使っていました。

しかし、このソニー銀行よりもかなりコストを抑えてTransferwiseでは同様の機能を使うことができます。

また、Transferwiseが素晴らしいのは、両替したい通貨を最もコストが安くなるように自身の保有資産から通貨を選択してれる点です。

これによりいちいちどの通貨で両替すれば良いか調べる手間も省けます。とことんユーザー目線にたった機能を提供している点が非常に好印象です。

カードの申し込みはTransferwiseアカウントをお持ちの方であればアプリ上からすぐに申請することが可能です。私も先日申し込みましたが、数週間で届く予定とのことでした。

5. おわりに

いかがでしたでしょうか?

今回は世界的に人気を集めている国際送金サービスTransferwiseについてご紹介しました。

特に注目なのが日本でようやくサービス開始した複数通貨対応口座です。頻繁に海外旅行する方であったり、移住を検討されている方であれば最もオススメできる選択肢です。

複数通貨対応口座自体はカード発行が伴い1,200円かかってしまいますが、送金だけであればアカウント登録のみですので無料で登録することが可能です。

海外送金のコストもう少し抑えられないか。。とお悩みの方はぜひ一度使ってみてもらえると満足いただけると思います。