ドイツ・ベルリンへ移住!現地就職したエンジニアの家探しオススメ方法とコツ
ドイツ生活で最も負担の大きい作業、それが「家探し」です。
現地企業へ就職される方、現地日本企業へ赴任される方などによって状況は様々です。引越し支援(英:Relocation Package)が企業側から提供されていれば特に困ることはないでしょう。
しかし、こちらのページをご覧の方は自力で家探しを検討されている方が大半かと思います。
今回は、私自身がドイツ・ベルリンへ移住した際にとった家探しの方法をご紹介します。特に日本から移住した際の最初の居住地の決め方を中心に紹介できればと思っています。
私の移住先がベルリンでしたので、ベルリンの住宅事情に沿った内容になっています。ドイツといっても場所によって事情は様々ですが、外国人が家を借りると言う点でプロセス・方法に関してはほとんど同じかと思いますので、ぜひ参考にしてください。
1. ベルリンの家探し事情
2020年12月現在、ベルリンでの「家探し」は一言でいうと超絶大変です。
大袈裟に聞こえるかもしれませんが、私自身大変苦労しました。
とにかく競争率が半端ではありません。コロナの状況で内見の人数が事前に制限されていましたが、通常時は1部屋の内見に長蛇の列ができることも珍しくないそうです。
また、ベルリンは年々外国人の人口が増加傾向にあり、それに伴い物価・家賃が高騰し続けています。
ベルリンはITスタートアップ企業が集まる地域で、多くの外国人エンジニアが世界中から集まってきています。また、Brexit( = British Exit)も少なからず影響しているせいか、多くの英国人が2020年末までのEU圏内移住を目指しドイツへ渡ってきています。
人が集まることで家賃の高騰を続けていたベルリンですが、その高騰にストップをかけるよう「Rental Cap」法案が一時的に適用されています。この法律により法外な家賃設定ができない状況でひとまず家賃の高騰は止まっていますが、あくまで正式な可決を待っている状態ですので、否決された場合、家賃の高騰は避けられないでしょう。
家賃相場
高騰を続けているとはいえ家賃は東京と比べた場合、まだ安い印象です。
家賃自体はピンキリなのですが、基本的に東京のような狭いアパートはこちらにはありません。
一人で住む場合は最低でも30㎡以上のStudioタイプの部屋か広い部屋をルームシェアする形になるでしょう。
二人以上で住む場合は最低でも2部屋・35㎡以上の物件が良いでしょう。
ルームシェアの場合400~600EUR、部屋を借りる場合は700EUR~といったあたりが相場でしょう。
もちろん場所や物件のクオリティによって家賃は上下しますが、私の所感ではこのような相場です。
家賃体系
家賃体系は慣れるまで注意深くチェックする必要があります。
ドイツ特有の表示なので、後々何が含まれている・いないを誤解してしまうと厄介ですので、念入りに確認しましょう。
基本的には以下の2種類の表示があります。必ずWarm Rentの料金を確認するようにしましょう。Cold RentとWarm Rentの差額は建物によりますが、経験によると大体100~300EUR程度に収まるイメージです。
- Kaltmiete(英:Cold Rent):部屋料金
- Warmmiete(英:Warm Rent):部屋料金+暖房・水道料金
こちらが基本的な料金体系ですが、上記費用に加えて以下の料金は自分で契約をして支払う形になります。
- 電気料金
- ガス料金
- インターネット料金
サイトによってはWarm Rentとして全てを含んだ料金として掲載している物件もあるので、どこまでの料金が含まれているのかしっかりと確認しておくと良いでしょう。
2. 日本からの家探し戦略
さて、ここからはどのように日本から家探しを完結させるかについてです。
誤解を恐れずに言ってしまうと、現地の人と同じ条件で物件を決めることはルームシェア物件を除いてほぼほぼ不可能です。
その理由は、多くの物件が現地人用の選考フローを想定しているからです。
詳細は別の記事で書きますが、とにかく準備する書類の多さ、レスポンスの速さがカギになります。もちろん収入も大事な要素です。これらは現地である程度生活すると準備できるものが増えるのですが、日本から全ての書類を準備するのは不可能です。
オススメの方法
では、どうすればよいのか。
私の取った方法は
- 仮住まい用の住居を3~4ヶ月の短期契約
- 市内エリアの散策
- 2, 3ヶ月目から本格的に現地で物件探し
です。※最終的にこの方法で定住用の物件を見つけることができました。
ドイツでは上記のような家探し事情から、短期契約用の物件紹介サイトが充実しています。
基本的に家具備え付けの物件で、最低1ヶ月から借りれる物件も多いです。もちろん通常の物件に比べると割高であることは間違いないのですが、契約のしやすさ、移住してからすぐに生活ができるのが魅力です。
3ヶ月ほど借りることをオススメする理由は以下の通りです。
- 現地での給与明細3ヶ月分が物件の応募書類に含まれることが多いから
(最低でも1ヶ月+雇用契約書) - ベルリンの家探しは長期戦になることが多いから(最低でも1ヶ月)
- 気に入ったエリアでの家探しはさらに長期戦が想定されるから
また現地で物件を借りた実績も重要で、短期契約のアパートのオーナーから家賃が滞っていないことを証明する書類(ドイツ語:Mietschuldenfreiheitsbescheinigung)も応募書類に含めることも多いので、事前に物件を借りているとこの辺の必要書類の準備がスムーズに進みます。
注意点
短期契約の物件を探すにあたり、一点気をつけなければいけないことは「Anmeldung」と呼ばれる(英:Registration)住居登録が可能である物件と契約することです。
この「Anmeldung」はドイツ生活において最も重要な書類といっても過言ではありません。この住所登録がないとスマホのプリペイドSIMも契約できないほどです。
物件によっては、現在の居住者が旅行などの不在中に又貸し(sublet)していることもあります。こういった物件は住所登録ができない可能性があるので、契約時は「Anmeldung」取得可能な物件であることに気をつけましょう。
3. オススメサイト
私が実際に短期契約物件を探したサイトはWunderflatsです。
物件仲介業者で契約時はオーナーとの間には入ってサポートしてくれます。英語が通じるので、ドイツ語を話せない方でもとりあえず安心です。
家具備え付け・短期契約・立地抜群な物件も多く、契約に必要な書類も少ないため比較的容易に契約を結べます。それに加えてWunderflatsが仲介してくれる点で詐欺などにあうリスクも低い点も安心です。
実際に私が提出した書類は、下記の3点のみでした。
- パスポート
- 預金残高の証明できる画像
- 雇用契約書(収入の証明)
IDと十分な預金があること、収入が保証されていることが証明できれば十分なようです。現地での家探しに比べて必要な書類が圧倒的に少ないです。
私はベルリンの中心エリアでStudioタイプ・35㎡の物件を1,000EURで借りていました。
立地の利便性を差し引いても、このサイズで1,000EURは明らかに高いのですが、短期間と割り切って良い選択をしたと捉えるようにしています。
その他のサイト
他にも同時期に私が利用していたサイトはこの辺りです。
- SPOT A HOME
- HomeLike
- Housing Anywhere
- WG-GESUCHT:ルームシェア物件多め
コツ
短期契約物件で契約に至るコツは、「Available Date(入居可能日)」からあまり遠い日にちでの入居日でリクエストしないことです。
例えば2021年1月から入居可能な物件に対して、2021年3月からの入居を申請しても承認される可能性は低いです。※実際に承認されなかったので、Wunderflatsのサポートに問い合わせたところ2ヶ月先の予約ではほとんど通らないと教えてもらいました。
この契約をしてしまうと、この間を埋めるような別の入居者を探す必要があるため面倒ですよね。
なるべく、入居可能日から日にちを空けないで入居開始するリクエストを送ると受け入れてもらえる確率がグッと上がります。