ドイツ・ベルリン現地での家探し完全マニュアル・心構えからオススメの戦略まで

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ドイツ、特にベルリンでは部屋探しが非常に大変です。私の働く会社ではほとんどの社員が外国人なのですが、ほとんど全員が口を揃えて部屋が見つからないと嘆いています。

あまりにも労力が必要なため、人によっては家探しを諦め、移住してきたときに借りた短期用のアパートをそのまま延長していることも少なくありません。

私が内見の際に軽く話したドイツ人は申し込みを10件ほど済ませたあとも、まだ借りることができないと言っていました。現地のドイツ人でさえも家を借りるのに一苦労な状態なのです。

今回はそんなベルリンでいかに私が部屋探しを進めていったのか、最終的に最も効率的だと感じた方法をご紹介していきます。

1. 筆者自身の家探しの結果

まずは私自身の家探しが最終的にどういった結末を迎えたのかお話しします。

ベルリンに移住してきたのが2020年10月。

まずは以下の理由から短期間滞在用のアパートを日本から契約。期間は4ヶ月で、2021年1月末までに次の滞在先を探す必要がありました。

  1. 現地の様子をじっくりと感じてから定住用のアパートを探したかったこと
  2. 現実的に日本からでは短期滞在用のアパート以外の契約が難しかったこと

興味のある方は詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

現地での家探しは滞在1ヶ月後から徐々に開始しました。

11月の初旬頃から情報収集を始め、11月中旬から家探しを開始。契約に至るまでのラスト2、3週間でより本格的に集中して取り組みました。

そしてクリスマス前に気に入った物件から申込みが承認された旨の連絡をもらい、無事に契約を済ませることができました。入居開始は1月1日からです。

  • 契約サインまで5週間ほど(最後の2週間で真剣に)
  • エリアは第一希望ではなかったが、物件・家賃は大満足
  • 二重の家賃が1ヶ月ほど発生

最終的に60㎡ほどの1LDKの物件を比較的にリーズナブルに契約できたので満足しています。(※Rent Cap法案適用中。Rent Capについては上記の別記事で触れているので、そちらをご確認ください。)

加えて、キッチン・家具・TV以外の電化製品など全て備え付けの好物件に入居することができたので、短期滞在用物件の家賃1ヶ月分(1,000EUR)が余計に発生してしまいますが良い結果に落ち着いたと思っています。

2. 家探しの方法と心構え

何度も言いますがベルリンでの家探しは中々骨の折れる作業です。なんとなく進めていると時間だけが過ぎていってしまい、思うような結果が得られないことも考えられます。

心構え

まず、一番初めに認識しておいた方が良いことは、

パーフェクトな条件の物件はほとんど皆無

であることです。物件探しでは様々な期待、外せない条件があるでしょう。しかし、現地での家探しでは必ずどこか妥協しなければいけないことが発生します

もちろん、金銭的に余裕のある方であれば理想的な物件を見つけることは難しく無いかもしれませんが、私を含めた大半の方は家賃・立地・築年数・入居時期・内装において、必ずどこか譲歩しなければいけないので、その点は認識しておいた方が良いと思います。

オススメ方法

物件を見つける方法としては、大きく以下の二つが挙げられます。

  • ImmobilienScout24のサイトから物件を応募
  • 現地在住の知人・友人から引き継ぐ

他にも不動産仲介業者へ足を運んで探す方法もありますが、私はドイツ語が話せないこと、家賃へ仲介業者の手数料が毎月上乗せされる可能性があること(こちらは知人から聞いた話です)から移住して間も無い日本人には難易度が高いかもしれません。

知人からの紹介

一番楽な方法は知人・友人からの紹介で引っ越す予定のある物件情報を仕入れ、転居後にそのまま引継ぐことです。

物件を管理しているオーナーやエージェントにしてみると、次の候補者を探す手間が省け、かつ、現在の借主の紹介者という信頼の面からもメリットが多く、割とスタンダードな手法です。

  1. 私自身も元々はこの方法で直属の上司が住んでいた部屋を引き継ぐ予定だったのですが、その物件の管理会社が紹介を認めておらず、泣く泣く自力で探すことになってしまいました。
  2. エージェントによってはきちんとした手続きを設けていることもあるので、当人同士で約束を取り付けても契約が終わるまでは気を抜かないようにしましょう。

ImmobilienScout24のサイト経由

私が実際に物件を決めたのはImmobilienScout24のサイト経由です。

引用)ImmobilienScout24 公式サイトより

いわゆる物件情報サイトの位置付けですが、取り扱う物件の量もベルリン市内の中ではトップクラスです。

私はこちらのサイトで有料版の「+Plus」会員になって物件探しを行っていました。同僚に勧められてこの有料サービスを利用することにしました。

有料版の特典として用意されている「SCHUFA(ドイツでの借金や金銭に関わる信用スコアの書類)」の発行が機能しないという致命的な欠点を除いて、概ね満足できるサービスでした。最終的に結果に結びついたので、良かったと思えるだけかもしれませんが。。

金額の割に優れたサービスだとは思えませんが、少しでも可能性を高めるためと割り切れればお金を払う価値があると思います。個人的にはオススメです。

2020年12月現在の料金体系は下記の通りです。

  • 29,95EUR (最低2ヶ月以上)
  • 24,95EUR (最低3ヶ月以上)
  • 19,95EUR (最低6ヶ月以上)

より長期戦になることを見越して安いプランを選択することも可能ですが、2ヶ月以内に終わらせるつもりで29,95EURのプラン選択をオススメします。

有料会員の特典としては、これらが挙げられます。

  • 物件情報への他ユーザーのアクセス統計(アクセス数・コンタクトを取ったユーザー数など)
  • 応募書類のポートフォリオ作成機能
  • 物件管理者へのメッセージの優先表示
  • 物件情報への優先アクセス

実際に私が契約した物件は、実に300人以上のユーザーがメッセージを送っていたことになっていました。この事実からも、いかに競争率が高いことがわかるかと思います。ちょっと数が怪しいと疑っていましたが、内見時に話を聞くとほとんどの方が物件情報掲載後30分で100件以上メッセージを受け取ったとおっしゃっていました。

3. 家探しのコツ

ImmobilienScout24での家探しのコツは、ずばりスピード誠実さです。

これは自信を持って断言できます。

基本的な流れとしては、

  1. 管理者へ興味がある旨のメッセージ送信
  2. 管理者側から内見への案内メッセージ受信(返信率20%・内見への案内率10%)
  3. 内見(物件によってはかなりの数の内見者になることも)
  4. 応募
  5. 契約

ステップ2で弾かれてしまうこと、内見が翌日など急であることも珍しくありません。

ほとんど返信はありません。。。ステップ1を少しでも良いと思った物件に対して数をこなすことが重要になってきます。

私は最終的に120件以上メッセージを送信し、7、8件の内見をしたと思います。

※気をつけていただきたいのは詐欺師の存在です。海外在住のオーナーで直接メールでのやりとりを要求してくることがありますが、ほとんどの確率で詐欺師です。内見案内のない物件は避けた方が無難でしょう。

掲載後30分以内を目標に

先ほども述べたように、掲載から非掲載になるまで30分以内であることも多々あります。

日本人であるあなたが気に入った物件は、他のユーザーにとってはものすごく魅力的で争奪戦は必須です。

入居者を探す側の視点に立ってみると、プロフィール・メッセージで良さそうな候補者が10人も集まれば十分でしょう。いかにその少ない枠に入れるかが重要になってきます。

最後の2週間は仕事そっちのけでサイトに張り付いていた時間もあるほどです。ImmobilienScoutのアプリでは最後のメッセージがテンプレートとして残るので、宛名だけを変更してひたすらメッセージを送っていました。

ドイツ語で誠実な文章を

こちらも非常に重要な点です。

ベルリンでは英語が通じる確率は高いのですが、やはりファーストコンタクトはドイツ語で行うことをオススメします。

Google翻訳が割と使えないので、こちらのサイト「DeepL」がオススメです。私はこのサイトで英語→ドイツ語で翻訳したメッセージを作成し、メッセージのやりとりをしていました。英語→ドイツ語もGoogle翻訳よりも自然な英語に直してくれるのでかなり重宝しています。

以下の内容を含めたメッセージを事前に作成しておきましょう。

  • 宛名:(男性用)Sehr geehrter Herr 苗字 / (女性用)Sehr geehrte Frau 苗字
  • 居住予定者の自己紹介:(年齢・出身地・関係など)
  • ベルリンへ滞在することになった経緯や状況説明:(所属企業・収入・ビザの取得予定など)
  • 早急な内見のお願い
  • 結び:Mit freundlichen Grüßen

ドイツは良くも悪くも信用が大事です。外国人の私たちをどうしたら信頼してもらえるのか、なるべく内容を詳細に考えて文章を作成しましょう。

4. 応募書類

内見で問題がなければ、なるべく早く応募しましょう

応募する際の書類をまとめて「Application Package」と呼んだりしますが、この提出書類の充実度・内容が合否を大きく左右します。

実際に私が契約に至った物件は、私が応募する直前にほぼほぼ入居者が確定していたそうです。

先方が駆け込みで届いた私の「Application Package」を気に入ってくれたおかげで、言い方は良く無いかもしれませんが、その候補者から横取りできた形になりました。

提出する代表的な書類は以下の通りです。

  • 申込フォーム(ドイツ語)
  • パスポート画像(顔写真ページ・表紙カバー・ビザページ)
  • 家賃滞納がない証明書・現在の家主に発行依頼(Mietschuldenfreiheitsbescheinigung)
  • 最新3ヶ月分の給与明細(+雇用契約書)
  • 信用スコア証明書(SCHUFA)
  • 家主への手紙(あれば尚良し。メッセージ+入居予定者写真など)

家族やパートナーと住む予定の場合は、入居者全てで用意できる書類を準備してくと良いです。

滞在期間によっては給与明細など要件を満たさないかもしれません。その場合は雇用契約書などで安定した収入があることを示すようにしましょう。

手紙に関してはプラスアルファでアピールしたい場合は提出すると良いと思います。私は提出しませんでしたが、知人が手紙を書いて上手くいったことがあったそうなので余力があれば用意しておくと良いと思います。