現役エンジニアが語る、英語とプログラミングができることの本当のメリット

こんにちは、DUです。
今回は、比較的グローバルな環境でエンジニアとして働いている私が、英語ができることの本当のメリットについてお話します。
簡単に私の英語力についてお話しすると、TOEICは900点以上、外国人と日常会話程度であれば全然問題なく話せるレベルです。
私は英語を先に習得して、ソフトウェアエンジニアとしてスキルを身につけていったので、そのようなキャリアをお考えの方は下の二つの記事に目を通していただけると少し参考になるかもしれません。
よく挙げられるメリットは本当にメリット?
まずは、巷でよく見かけるエンジニアが英語ができることのメリットについてお話します。
ざっと洗い出すと、以下のようなものでしょうか。
1. 海外で働ける
2. 待遇改善が見込める
3. 英語ドキュメント読める
4. 海外のQ&Aサイトで抱えている問題の回答が得られる
いかがでしょうか?「エンジニア 英語 メリット」などのキーワードで検索したときに引っかかった内容をまとめてみました。
これらの点について、私はそこまでメリットとして実感してはいません。
1つづつ見ていきましょう。
1. 海外で働ける
これは、英語ができれば海外の企業も就職の選択肢に入れることができるということだと思いますが、ハッキリ言ってしまうとそこまでの英語力がなくても海外の企業で働けます。
それは海外の企業ほど、エンジニアの技術力に目を向けているからです。
特にみなさんが知っているような有名な企業であれば、なおさら英語力ではなく技術力を重視しています。
そもそも、選考のフローが日本と海外では全く異なります。日本では面接官が口頭で過去の経験や技術的なトピックについて質問し、技術力を測るスタイルが一般的ですが、
海外のテック系の企業ではアルゴリズムやシステム設計の課題を元に議論しながら実際にコードを書いたり、設計図を作っていく実践的なスタイルが多いです。
そうなると英語力云々よりも、論理的な思考力やコミュニケーション力、技術的な理解力など、圧倒的にエンジニアとしてのスキル(トータル的な技術力)が見られています。
面接は今までの経験談に花を咲かせる場ではなく、その経験から蓄積された技術力を測る場なのです。
2. 待遇改善が見込める
こちらに関しては2パターンの見解があります。
一つは、日本国内の外資系企業に就職するケース。もう一つは海外で就職するケースです。
日本国内の外資系企業にいくのであれば、給与水準は高い傾向にあるのは事実でしょう。しかし、こちらも先ほど同じように技術力のベースがあってのことなので、英語は極わずかなプラス要素にしかならないでしょう。
海外で就職することに関して、よく「アメリカのエンジニアの平均給与は日本よりも全然高い」と語られますが、完全に生活費の差から生まれる収入の差程度のものしかないと思います。
海外で生活したことのある方なら、実感されていることだとは思いますが、東京の物価はアメリカの主要都市よりも全然安いです。
シリコンバレーでは家賃や食費など生活費を差し引くと、手元に残る金額はほとんど東京と変わりません。それくらい物価が違います。
またアメリカの場合、車が必要であったり、病気になった際の治療費など、さらに追加でコストがかかることもありますので年収だけで判断しないほうがいいと思います。
3. 英語のドキュメントが読める
4. 海外のQ&Aサイトで抱えている問題の回答が得られる
そもそも論なのですが、「英語ができること」というのは少し曖昧な表現ですよね。言語能力は大きく4つに分類できます。
1. リーディング
2. ライティング
3. リスニング
4. スピーキング
中学校・高校に通っていた日本人であれば最低限のリーディング・ライティング力はあるでしょう。そうなると、英語が「読めること」「書けること」は大して他のエンジニアと差がつく部分ではなく、メリットというには少し弱い気がします。
エンジニアであれば、何かしらオープンソースを使っていて困ったことがあればドキュメントを読むのは当たり前です。ドキュメントを一から読むのが面倒であればQ&AサイトやGithubなどで同じ問題がほとんどの確率で見つかります。
英語でしか回答が得られなければ必ず読むでしょう。そして、英語力に多少自信がなくてもほとんどの方が答えにたどり着くではずです。
その点からも、これはあまり大きなアドバンテージにはなり得ないでしょう。
筆者が感じるメリット
私が日々働くなかで、エンジニアとして英語ができることのメリットは以下の3つです。
1. 外国人との建設的な議論ができる
2. コード書く際の英語的なセンスの発揮
3. 動画から技術情報を得られる
正直言ってしまうと、そこまで大きなメリットとして実感することはできていません。強いて言うならば3つ目の「動画から技術情報を得られる」は英語を勉強していてよかったと感じる一番の要素です。
1. 外国人との建設的な議論ができる
こちらは、業務上必要な場面が多いので挙げました。環境によっては全くメリットになり得ないポイントですね。
私のチームは半数以上が外国籍のエンジニアです。もちろん日本語が話せない者が大多数です。その際、日本人と外国人のエンジニアが混ざって議論すると、英語力に自信のない日本人の口数は少なくなる傾向にあります。
そして、たまに発言したとしても相手にあまり伝わらない場面も多いです。
職業柄、論理的に物事を話していかないと全く噛み合わないこともあるので、そういった場面で英語のスピーキング力は重要です。
個人的には英語の方が余計な気遣い(敬語や遠回しな表現)が必要なくポイントを的確に言葉にできるので日本人だけで日本語で話すよりも圧倒的に効率的です。
2. コード書く際の英語的なセンスの発揮
プログラミングをされている方はご存知かと思いますが、プログラミング言語と英語は非常に似ています。
簡単に言うと、プログラミングは英語で命令文を書いていく作業です。
英語でその命令を記述していくにあたり、変数名や関数名をつけていくのですが、その際に語彙力が非常に重要になってきます。
もちろん慣れてしまえば直接英語力と関係するものではありませんが、英語話せる人ほど意味の通じる語彙を使いこなす能力が高いので、その点良いコードを書く力も高いと言えます。
状況に応じて、同じ日本語の意味をもつ単語でも使い分けができると、外国人にも理解してもらえるキレイなコードになります。
ソフトウェアは世界中で使われるものなので、このポイントはエンジニアとして非常に大事だと言えるかもしれません。
3. 動画から技術情報を得られる
私自身は、この点に一番のアドバンテージを感じています。
基本的にソフトウェアの開発はアメリカから世界中で使われるものが生み出されることが多いです。
そうすると、日本で人気に火がつくまでに若干タイムラグが生まれます。最低でも1年程度はラグがある印象で、下手をすると4〜5年かかったり、そもそも日本で誰も使っていないという状況にもなり得ます。
そんな状況でも、英語では様々な技術検証やチュートリアルが発信されています。
最近ではYoutubeを探せば、開発元の公式動画やカンファレンスでの発表映像など、誰かしらその技術の発信をしてくれていますので情報がものすごく早く手に入ります。
私はそもそも日本語でさえも読むことが好きではなく、ましてや英語だと時間がかかって、やる気を無くしてしまいます。
そんなときに動画は非常に便利です。寝る前や仕事中のちょっとした時間に勉強できるので時間を有効に使えますので。
また、Udemy やpluralsight、Lynda.com、udacityなど様々な動画リソースから学習できるのも非常に魅力的です。
日本人エンジニアはあまり情報を動画で発信することもないので、技術的な学習を動画を通して行いたい場合は英語のリスニング力が非常に役立ちます。

おわりに
いかがでしたでしょうか?
冒頭部分は、少し屁理屈っぽく聞こえるかもしれませんが、私が経験する限りメリットとは言えないことも世の中に広まっている気がしたので、この記事を書くことにしました。
みなさんもぜひ英語を勉強する意義について、もう一度考えてみてはいかがでしょうか。
