フィリピン留学?アメリカ留学?両方の留学を経験した筆者が選択のポイントを解説
留学先の候補は目的によって多種多様ですが、「英語学習」という観点ではフィリピンへの語学留学、英語圏への留学がメインの選択肢でしょう。
本記事では読者の方々のそれぞれの目標や目的、また現在のレベルや費やせる期間によってどちらの選択が良いのか、私の経験を踏まえて解説していきます。
筆者はおよそ5年前に、フィリピン・セブ島留学とアメリカへの留学を経験しました。先にセブ島へ1ヶ月の語学留学を経験し、その一年後に私費留学でアメリカへ1年間留学していました。
その成果もあり、現在はエンジニアとして日々外国人エンジニアと英語で何の問題もなく仕事をしています。
キャリアの経緯と戦略
私が学生だった当時、留学に至った経緯や簡単なキャリア戦略について、書いた記事です。
現在の英語力と留学の目標は?
何よりも大切なことは、現在の自身の英語力と最終的な目標を把握することです。目標との差分を埋めていくことがモチベーションを継続する最大の秘訣です。
私自身であれば、以下の様な状態でした。これらの評価基準は自分自身の直感で良いと思います。言語学習は結局のところ、自分が満足できるか否かが常に基準となるので自身の評価を軸としましょう。
フィリピン留学時 - 1ヶ月
英語力
・基礎的な文法や単語は知っており、英作文も時間をかければ出来るが、会話になると出てこない
留学の目標
・相手に自分の意志を伝えることができる
・言語化するスピードを速くする
・会話のキャッチボールができるようになる
アメリカ留学時 - 12ヶ月
英語力
・言いたいことは限られた語彙であれば言語化できる
・理解できる量に対して、使える表現が限られている
・英語の映画はところどころ聞き取れる
留学の目標
・ネイティブっぽい表現が使えるようになる
・英語の映画を字幕なしで観れるようになる
・ネイティブ環境でプロフェショナルな仕事ができるようになる
私がそれぞれの留学前に思い描いていたのは上記の様な内容です。
実際の結果はさておき、私が描いていた目標を達成するために、それぞれの留学先はかなり相性が良かったなと感じています。
みなさんも自分の目標を描くことで、どこへ留学すべきかより明確になると思います。
フィリピン留学に合っている方
フィリピンへの留学はどのようなイメージをお持ちでしょうか?
巷にあふれている体験談や広告で大々的に取り上げられているのは「短期間・格安のマンツーマントレーニング」というキャッチコピーでしょう。私もこの点に惹かれてフィリピンへの留学を検討し始めました。
- 費用が安い (1ヶ月あたり20~30万円)
- 期間が短く柔軟
- 英語漬けのマンツーマンレッスン
このポイント自体は何も間違っていません。
これらの長所は、明確な目的の元ではメリットであり続けます。
フィリピン留学で到達できるレベルとは
それでは、どのような目的であればフィリピン留学が効果的なのでしょうか?
最も伸びしろが期待できるのは「高校・大学受験レベルの英語基礎力が身についている」英語力の方々です。
そして、到達できる最高レベルは「非ネイティブスピーカーとして初級の上位〜中級レベル」です。
基礎力は日本で身につけるべき
まずはじめに注意したいことは、留学前時点での英語力です。
勘違いしがちなことは、「留学すれば英語力が勝手に伸びてくれる」と幻想を抱いてしまうことです。時間が限られている中で、現地に滞在してから基礎的な単語や文法を学んでいては留学した意味がありません。
フィリピンでの時間は、「頭ではわかっているけれど、実際に英語が使えない」という状態を打破するために使うべきです。
もちろん、フィリピンに行ってからもインプット学習をする必要がありますが、それはどちらかというとアウトプットするために必要な知識を思い出すための作業です。
到達できるレベルには限度がある
フィリピンは教育機関で英語を用いることから、英語話者が多い国として有名です。実際の先生はプロとして生計を立てている方もいれば、バイト感覚の大学生までと幅広く、レベルもピンキリです。
英語がある程度話せる様になった今だからこそ言えることは、彼ら自身も一非ネイティブスピーカーに過ぎないということです。
言語習得に最も大事なことは何でしょうか?
それは、真似をすることです。
反対に、真似をする人の英語以上のことは身に付けられません。
つまり、非ネイティブスピーカーから言語を学んでいる限り、それ以上のレベルに到達することは難しいと言わざるをえません。
結局どういう人がオススメ?
留学当時、私の英語力が話にならなかったので(非ネイティブスピーカーの超初級)、先生のレベル云々が問題ではありませんでしたが、まさにこれが核心です。
- 英会話力がビギナーレベル
- 非ネイティブスピーカーの中級レベルを目標
- 留学期間は最大3ヶ月程度
留学期間は最大でも3ヶ月程度で良いでしょう。3ヶ月以上は
- マンツーマンレッスンという授業形態
- 非ネイティブの先生を相手に練習
という点から、費用に見合った成果を回収できる見込みが少ないのでやめた方が良いでしょう。
英語圏留学に合っている方
フィリピンの留学とは対照的に、英語圏への留学は経済面でのハードルが高いです。
ワーキングホリデーなどの選択肢もありますが、個人的には費用対効果が悪いのでオススメしません。特に英会話初心者であればあるほど、言語的な成長の見込みは薄いのでやめた方がいいです。
英語圏へ留学するのであれば、最低半年から1年程度の時間を確保して、じっくりとネイティブの表現を学んでいく機会を設けた方が良いでしょう。
英語圏留学で到達できるレベルとは
英語圏へ留学するのであれば、誰しもある程度「英語が話せます」と胸を張って言えるレベルを期待するでしょう。
実際、私も自分自身が満足できるレベルに到達することが最大の目標でした。大金を費やして経験することなので、当然のことだと思います。
英語圏留学で到達できるレベルは、ハッキリ言ってしまうと「ピンキリ」です。ものすごく上達する人もいれば、留学前からほとんど変わらない人もいます。
ただし、ハッキリと言えることは以下の2点です。
- ネイティブレベルには確実に届かない
- 非ネイティブの上級者には手が届く
ここの認識に間違いがなければ、留学を検討してみましょう。
時間経過と英語力向上の相関について
ネイティブの英語はとにかく慣れていないと、速くて聞き取れません。特にアメリカ英語は単語間の区切りが曖昧で、日本人にとってものすごく聞き取りにくいと話し方です。
日本で言語教材に付属しているCDの英語は全く参考にならないですし、フィリピンなどで聞いていた英語とも全く異なります。
初めの1ヶ月はほとんど変化がないと言って良いでしょう。皆同じような感じですので、焦る必要はありません。
その状態でも半年程かけて慣れていくことで、おおよそのリスニングはできるようになります。
スピーキングに関しても、自分の使える定型的な表現と単語の量がだんだんと増えてきます。
6ヶ月経過した後に、
- リスニング:7~8割の内容を把握できる
- スピーキング:各シチュエーションにおいて自分の意志を伝えられる
くらいになっていれば上出来ではないでしょうか。
6ヶ月程度経過すると、今までの学習で身に付けた英語をアウトプットできるようになっていると思います。
非ネイティブスピーカーの上級者を目指すには
半年ほど経過すると、今までインプットしてきた内容に関してはアウトプットできる状態になります。そして、ここから先の努力が自身の英語力にさらに磨きをかけるためのポイントになります。
ハッキリ言ってしまうと、半年ほどで到達できる「非ネイティブスピーカーの中級レベル」は、英語が好きで勉強している人や頭がいい人であれば、いくらでも届くレベルだと思います。
実際、私の会社でも留学経験なしで英語が上手な方はたくさんいます。
せっかく英語圏に留学したのであれば、その先のレベルを目指さないともったいないのではないでしょうか。
ここから先は、常にネイティブスピーカーから学ぶ姿勢を貫く以外方法はないと思います。挙げていくとキリがありませんが、さらに英語上達のために学ぶべき点は以下のような観点ではないでしょうか。
- 発音やアクセント
- スラング
- 英語特有の表現の仕方
- 文化的な背景からくる表現
これらのポイントは実際に、日々ネイティブスピーカーと触れ合う機会がないと、伸ばすことが難しい英語力です。TOEICやTOEFLなどの試験用の英語力ではなく、コミュニケーションのための英語力とでも言えるでしょうか。
結局どういう人がオススメ?
フィリピンなどの非英語圏では設定できない目標を志したり、英語圏に将来的な関わりを持ちたい方は、ぜひ英語圏への留学をオススメします。
- 英会話力がビギナーレベル
- 非ネイティブスピーカーの上級レベルを目標
- 留学期間は最低でも6ヶ月から