IBPプログラムの留学はどんな感じ?経験者が語る1年間の過ごし方とその成果

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IBPビジネス留学。

留学を少しでも考えたことがあれば1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

留学」といっても大学内の留学制度、語学留学、短期、長期など期間・内容を組み合わせて考えると選択肢は様々です。

私自身、学生時代留学を考えていたもののどういった留学が良いのか色々と悩んでいたことを覚えています。

最終的にこのIBP留学を選択したわけですが、今でも良い選択をしたと実感しています。

今回はIBP留学について自身の経験してきたことを絡めて、簡単にご紹介していきます。

1. IBP留学とは

こちらの記事にたどり着いた方であれば既にある程度情報を集めている方が多いと思いますので簡潔にお伝えします。。

IBP留学とは9ヶ月間の学部授業またはビジネス研修+3ヶ月間のインターンシップを組み合わせた留学ブログラムです。

私の留学当時は現在ほど多くの提携校ありませんでしたが、現地学生と同じクラスを受講することができるベルビューカレッジでの留学を選択しました。(現在の提携校一覧

留学先によって参加に必要な英語力が変わってくるので、選択肢を狭めないためにもある程度の英語力は事前に必要です。

次に留学費用について。

最終的に使った金額は概ね要項に記載の通りでした。総額300〜350万円準備しておくと不自由なく生活できるでしょう。

内訳は授業料(運営費込)+現地での生活費+IBPプログラム参加費で構成されています。

日本での授業料と比べるとかなり高額ですので、奨学金など受け取れる支援はできるだけ獲得できるように準備するといいでしょう。

生活費は現地でどのように生活するか次第ですが、多くの学生が留学初期はホームステイを選択しています。その後、各自の事情(シェアハウスで暮らしたい、ホームステイ先と反りが合わない)で引っ越す学生もでてきます。

2. セメスター毎の授業内容

今回は私が実際に経験したベルビューカレッジのプログラムをご紹介します。(4月から留学プログラムを開始する想定)

大学での授業は3ヶ月ごとのセメスター制です。

学期間に1-2週間の休みがあり、夏と冬にまとまった休みができるイメージです。

1学期

1学期目は基本的にIBPブログラムに参加している生徒のみの授業が中心になります。

授業ではプレゼンテーションやビジネスシーンでの対応など、英語でのアウトプットを中心に学びます。これまで全く英語でアウトプットの経験のない学生にとってこの期間はとても重要で、日本で学んできた英語のスキルを「話す・書く」ことを中心としたカリキュラムを通して実践的なスキルへと昇華させます。

この期間で間違えることを恐れずに、臆することなくアウトプットし続けることが留学期間中の英語上達への成長曲線に影響してきます。

振り返ってみると、授業内容は英語でのメールの書き方からプレゼンのフォーマットなど基礎的ではありますが、将来的に海外で暮らしていく上で必須のスキルを学べる良い機会でした。実際に海外に移住する過程で、この頃に得たスキルは非常に役立っていると実感しています。

また上記授業に加え、2学期以降、実際の授業に参加するための英語力を伸ばす期間でもあります。

ベルビューカレッジの授業を受講するためにはTOEFL ITP(リーディング・リスニングのみ)のスコアで500が必要となります。

1学期の後半にテストを受験し、このスコアに到達できない学生は2学期以降学部授業に参加することができません。

しっかりと対策をしておけば、ほとんどの学生がパスできる基準ではありますが、中にはパスできない学生も一定数います。現地の授業に参加できなければ、貴重な留学期間を棒に振ることになってしまうので、必ずクリアできるように対策しておきましょう。

また、TOEFL ITPという試験の対策本は現地で手に入りづらいので日本で購入して準備しておいたほうが安全です。

2学期

2学期は学部授業とIBP生用の授業を並行して受講します。

学部授業では自身の学びたい科目を自由に選択することができます。

私はアニメーション作成やWebデザイン(HTML/CSS)のなどアウトプットのある授業に加え、Public Speakingなどプレゼンテーションを学ぶ授業を受講しました。

IBPプログラムの授業は、インターンシップ獲得のインタビュープロセスに向けて履歴書の書き方、面接対策などに焦点を当てたカリキュラムになっています。

また、4月から留学する多くの学生が11月にボストンで開催されるキャリアフォーラムに参加します。そこで提出する履歴書にTOEICスコアを載せたい場合は遅くとも9月までにその結果が必要です。8月までの試験で納得できるスコアを取れるようにTOEIC対策をしておかなければ間に合いませんので、その点は事前に把握しておくと良いでしょう。

3学期

3学期は留学期間中、最も忙しい時期です。

授業は通常の学部授業がメインとなり、それと同時に4学期から始まるインターンシップのポジションを確保する期間となります。レジュメを送って面接のアポを取り、電話インタビューや面接に行ったりと通常の就活さながらのプロセスを経験できます。

さらに、前述の通りボストンキャリアフォーラムに参加する学生は現地で面接をするための準備も並行して準備しなければいけません。

また留学期間も折り返しに入り、英語もそこそこ上達してきている時期、かつ現地の生活にも慣れてきている頃で、まさにIBPプログラムでの成果を最大化するために最も重要な期間時期といえるでしょう。

私自身、この時期はITエンジニアとしてキャリアを構築していくことを決めた時期で、現地のミートアップイベントに毎週のように繰り出していました。この期間が海外でエンジニアとして働く具体的なイメージを構築でき、今現在のキャリアに繋がったと感じています。

4学期

最終学期は基本的にインターンがメインの活動になります。

基本的にベルビューカレッジのプログラムに参加している学生のビザは無給でのインターンシップです。

期間は2〜3ヶ月程で、学生によって帰国時期もバラバラです。

3. インターンについて

インターンシップはIBPプログラムで最も重要なカリキュラムといえるでしょう。

もし仮に就職活動のネタとして留学経験を話したいのであれば、この期間の活動はかなり重要ですよね。

実際のところ、どういった感じなのでしょうか。

まず、ほとんどの学生が過去にIBPプログラムの参加者がインターンシップをしていた企業でのインターンを行います。その中には日経企業など数多く存在します。

現実問題として、社会人経験のない学生が現地でポジションを得ることはかなりハードルが高いです。無給インターンシップといえども、スキルのない学生を採用するメリットがないことは逆の立場になってみると明白な事実です。

あくまで現地企業側は社会貢献として学生を採用しているのです。

一部、過去の経験やスキルのある学生であれば実力でポジションを獲得することも可能ですが。

その点を考慮すると、学生にとって重要なことはいかに自分が優秀であるかを示せるか(実力・スキル)に加え、ネットワーキングが重要な要素になります。

アメリカは完全な実力社会と思われがちですが、同時に信用の部分もかなり重視されます。それは留学生であればより顕著に影響してきます。

あくまでカリキュラムの一環としてインターンシップを消化するのであれば、過去のインターン先一覧からポジションを見つけるのが一番効率的です。

しかし、自身の留学経験をもっと価値のあるものにしたいのであれば初めからそのリストに頼らない方が良いと思います。

かという私自身は、エンジニアのポジションをかなり色々な企業に応募していましたが尽く断られていました。今振り返ってみると圧倒的にスキル不足だったことは明白です。

そこで、最終的に知人の紹介でなんとかポジションを獲得することができ、実際にエンジニアとしてインターン期間を過ごすことができました。

そこでの経験がエンジニアとしてキャリアを始められるきっかけでしたし、今現在、海外で働けている要因だと確信しています。

人生において、たった2~3ヶ月の出来事がこうしてキャリア構築に結びついているのは非常に嬉しいことです。

4. 英語力について

英語力はほとんどの学生がある程度向上しますが、もちろん個人差はあります。

それは留学期間をどのように過ごしていたかに依ります。私自身は意識的に日本人の友人と過ごす時間を少なくしていました。

留学においてホームシックになることもあるでしょう。そんな時、日本人の学生同士で楽しむこともあるでしょう。しかし、それがスタンダードになっていると1年後の成果として顕著に現れます。

言語学習において「immersion」はものすごく重要で、留学は環境面でこの点を強制することで英語力を向上しやすくなるのです。それを楽な道を選ぶことで失わないようにすることが留学中の英語力に直結します。

私自身の英語力の向上はどうだったのでしょう。

数値的な面でいうと、TOEICスコアしか示せるものがないのですが、留学前(675)・留学9ヶ月目(935)といったところです。

TOEICのスコアは実際の英語力を測る上で参考にならないとはいえ、所感としてはある程度英語を話せる人であれば、最低でも900以上のスコアを持っていることがほとんどです。

この人英語上手だなと思った人で900点を下回るスコアの人を見たことがありません。逆のケース(900点以上のスコアを持っていると自慢気な割にあまり話せない人)は多いです。

ほとんどTOEIC対策を行わずに出た結果で、かつ自分自身も留学当初と比較してリスニング・スピーキングの面で伸びを実感していたので、しっかりと「immersion」を意識して留学生活を送っていれば自然と英語力は伴ってきます。

5. 総評

最終的にIBP留学はオススメなのか。

私の回答としては、自分が学生であればもう一度この留学を選択することは間違いありません。

しかし、自分でどういった成果を達成したいのか目標を定めて逆算しながら動ける学生でないと、ただの語学留学+職業体験になってしまうリスクもあります。

300万円ほど投資して参加するプログラムなので、自分がその額に見合った成果や将来的な経験に繋げられる自信がなければ参加しても効果はないと断言できます。

また、社会人にとってはどうでしょう。

個人的には今のキャリアを捨ててまで、このプログラムに参加することはないです。しかし、その後のキャリアプランが明確であったり、どうしても英語が必要であるという状況であれば一定の満足度はあるかなと思います。

英語力だけが目的であれば、半年ほど語学に特化した留学をした方が短期間・低コストで目的を達成できると思います。