海外エンジニア就職・転職の英文履歴書(CV)書き方を徹底解説

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海外へエンジニアとして就職を決意した際、最も初めに取り組むことは英文履歴書(Resume/CV)の作成です。

上記の他にもカバーレターと呼ばれる、志望動機書を共に提出することが大半ですが、まずは何よりも履歴書が必要です。

英文履歴書といっても何か特別なことはなく、日本で転職活動をする際に必要な書類から応用できます。イメージとしては「履歴書」+「職務経歴書」=「英文履歴書(Resume/CV)」です。

1. はじめに

英文履歴書に関しては様々な転職専門企業が書き方を公開しています。しかし、ほとんどの場合一般的な職種に関する例が多く、ソフトウェアエンジニアに特化した情報は極少ないのが現状です。

私自身、海外企業への転職活動を始める際に色々とネットで情報を集めましたが、日本語で参考になる資料はほとんど存在しませんでした。

では、どのように書類選考を突破できるレベルの履歴書を完成させたのか。

それは英語で「Software Engineer Resume Example」と調べ、ネイティブの書き方を真似したからです。英語で資料を検索すると様々な英文履歴書の実例を参照することができます。実際に有名テック企業を突破した履歴書も参考にできるので、雰囲気を掴むためにも一度目を通してみることをオススメします。

2. 大まかなポイント

英文履歴書の書き方で何よりも面倒?なことは、フォーマットが自由である点です。

日本のように職務経歴書・履歴書ともにフォーマットが定まっており、テンプレートに沿って埋めていくだけであれば簡単なのですが。。

とはいえ、私が調べた所感ではフォーマットに関しては自由ですが、内容に関してはほとんど大差なしということでした。

内容に関しては後述しますが、フォーマットや書き方に関しては大まかに以下のポイントを抑えておきましょう。

  • 顔写真を貼らない
  • 最新の情報から記述(職歴・学歴など)
  • 募集要項のキーワード
  • 目に留まるデザイン・読みやすさ重視
  • A4一枚(必須ではないがオススメの方法)

これだけ抑えておけば他の候補者に遜色ない英文履歴書が用意できます。

顔写真に関しては必要ありません。また、ほとんどの欧米諸国で人種・性別・年齢などでフィルタリングすることは禁止されており、それらの個人情報は記載する必要がありません。

いくつかの職種で応募を予定している方は、それぞれの職種毎に別のパターンを用意しておきましょう。この情報の真偽は定かではありませんが、企業によっては募集要項に引っかかるキーワードを設けていることもあるそうです。(大企業の場合は一日に数百・数千の応募があるので、あながち嘘ではないような気がします。。)

海外のCV例を探してみると、様々なデザイン・フォーマットに出合うことでしょう。その中で自分が読みやすいと思ったものや、自分をアピールするのに適したフォーマットがあれば、丸々写してしまうのも一つの手です。実際に、私は構成要素をそのまま拝借しました。

3. 構成要素と実例

それでは実際に実例を交えて書き方を説明していきます。

まず初めに、全体の構成要素一覧です。これらのポイントを含めるようにしましょう。

  • Header(ヘッダー:名前・職種タイトル・住所・電話番号・Emailアドレス)
  • Experience(職歴:各企業での実績要約を最新の情報から降順に記述)
  • Education(学歴:学位と実績の要約を最新順に記述)
  • Skills(スキル:ソフトウェアに関する技術、言語、Certificationなど)
  • Strength(長所:プロフェッショナルとしての長所)
  • Links(その他の参考資料:ポートフォリオや技術ブログなどのリンク一覧)

ヘッダー:Header

ヘッダー部分は自身の個人情報や連絡先を記述します。

職歴:Experience

続いて職歴です。最新の職歴から順に記述していきます。

もっとも企業側が気にする部分でしょう。日本での職務経歴書で記載する内容をさらに凝縮した内容に仕上げましょう。必要なのは以下の項目です。

  • 在籍企業名
  • ポジション名
    (昇進など名称に変更があった場合は別欄に記載、または実績に大きな違いがない場合はまとめて記述するなど適宜対応)
  • 在籍期間(例:mm/yyyy - Present)
  • 実績の要約(特にアピールしたい点は太字などのデザイン)

基本的には主語「I」を省略し記述し、ソフトウェアエンジニア的な用語を組み込んでいくと良いです。さらに定性的な表現は避け、より具体的な定量表現を意識しましょう。

学歴:Education

学歴も同様に最新のものから記載します。大学在籍時に留学などがあった場合は、卒業や修了した日付が最新のものから記述していきます。

この欄も職歴と同様に要約を記載しましょう。卒業・修士論文などで研究したものを数行で記載できると良いです。もし仮に別の項目で書き切れない場合は、教育機関名だけで良いでしょう。

逆に、現職はWeb開発職であるが、AI・データサイエンス関連の職種にキャリアチェンジを考えており、学歴がマッチしているのであればその内容を重点的に記述した方が良いです。

スキル:Skills

スキルに関してはソフトウェアに関するもの言語的な能力に焦点を当てます。表形式でまとめて、見やすさへ配慮すると良いでしょう。エンジニアですので、その他のコンピュータスキル(MS Officeなど)に関しては記載するまでもないです。また、学位以外のCertificationがある場合はこちらに追加します。

海外ではTOEICスコアなど記載しても、ほとんど効果はありません。実際の英語力は面接で判断されるので、能力を盛りすぎない方が安全です。レベルは以下のキーワードで記載しておくと良いと思います。

  • Beginner(初心者)
  • Daily Conversation(日常会話レベル)
  • Business Level(ビジネスレベル)
  • Fluent/Native Level(流暢・ネイティブレベル)
  • Native(母国語)

長所:Strength

続いて、プロフェッショナルな長所に関しても記述しておきましょう。Collaborating(協調性)やLeadership(リーダーシップ)、Quick Learner(飲み込みが早い)などポジティブなスキルを幾つか挙げておくと良いです。

面接時に、これらを象徴するようなエピソードを聞かれたりもするので、全く当てはまらないものを書いてしまって墓穴を掘らないように気をつけましょう。

その他の参考資料:Links

最後に英文履歴書で記載し切れなかった部分を補完するような資料があれば、こちらにリンク集としてまとめておくと良いです。

ほとんどの企業で応募フォームにこれらのリンクを記載する欄があるので、必ず含めなければいけないというわけではありません。

これらのリンクを含めておけば、エンジニアとしてアピールする資料としては十分ではないでしょうか。

  • LinkedIn
  • Github
  • ポートフォリオサイト
  • ブログ
  • StackOverflow

反対にこれらの資料が一つもない場合、企業側はあなたの職歴・学歴からスクリーニングをかけなければいけません。

日本でのキャリアしかない場合、有名グローバル企業出身でなければ一般的にリクルータはあなたの所属組織を知りません。それだけ不利な状況からのスタートですので、可能な限りアピールできる資料を事前に揃えておきましょう。

4. 全体的なレイアウト

初めに言及した通り、フォーマット・デザインは自由です。しかし、現在の私の職歴では下記画像のような2段構成でのレイアウトが一番しっくりきました。

左側に職歴の概要、右側にその他の必要項目を記載し、一目で全体的な概要が把握できるデザインになったのではないかと思います。

今回は初めて英文履歴書の作成ということもあり、Google Docの既存テンプレートをカスタマイズしてデザインを完成させました。

自作する以外にも、必要な項目を入力するだけで様々なデザインへ変更してくれるWebサービスも存在しますので、デザインに自信のない方はそれらのサービスを利用するのもアリかと思います。